ジャニス工業の1997年に廃番になっている密結ロータンクの排水弁部が割れたため交換してほしいという依頼があったときに、どう対応するのが正解なのだろうか?
考えてみましょう。

力技ですが、カクダイなどの密結ロータンク用の排水弁部品などを使えば交換できなくはないのだけれども、万が一水が漏れたときに責任はどうなるのか?というところで考えた場合、これが例えば市や県の公営アパートだったりすると、水道工務店としては「メーカーの正式な交換部品が手に入らないので便器ごと全て交換になります」という回答をせざるえないのではないかと思います。
これが自宅であったり、まぁ漏れてもいいからというような「自己責任物件」であればそのまま利用してコストをとにかく下げれるだけ下げて削りたいというなら、他社製品を強引に組み付けるのもアリかもしれません。
けれども賃貸物件だったり、第三者が使用するような場合だと、メンテナンスとかクレームがあったときの対応をどうするのか、ということを考えると、やはり全部交換が正解だと思います。
なにしろ廃番になったのが1997年なので、設置したのはそれよりも前だと考えられますし。だとすれば30年近く、あるいは30年以上が経過しているわけで、今回修繕が完了しても、また他の部分に問題が出る確率が高いのです。
「とにかくつかえるようにしてくれ」って頼まれてやってやれないことはないのでしょうが、かなりの確率で不具合が再発するので、それを十分に説明したうえで、修繕するしかないと思います。
でも、どれだけ説明しても「すぐ壊れた」ってクレームをしてくるのが、そのテのお客さんだったりするのです。
最終的にはユーザーとの信頼関係を考えてどう対応するのか決めましょう。